コンピュータの機器の間でデータをやり取りするための伝送路のことを「バス」と呼びます。
内部バスと外部バスに分けることができますが、そこに関しては以下の記事で書いてます。
今回はバスでデータを転送する方式にシリアル(直列)とパラレル(並列)があるので、この方式の違いを学んでみましょう!
シリアル(直列)バスとは?
シリアルバスは直列と言われるように、データの信号をひとつずつ連続して送受信する方式です。
信号を一つずつ順番に送るので、受け側も順番に受け取れば良く、送受信の制御が簡単にできるところがメリットです。
シリアル方式の外部インタフェースとして有名なものは以下の二つがあります。
USB(Universal Serial Bus)
USB(ユーエスビー)はパソコンと周辺機器を繋ぐ時のもっとも標準的なインタフェースです。
高い汎用性を意識している規格であり、キーボードやマウスなどの入力装置、プリンタなどの出力装置、USBメモリやSSDハードディスクなどの補助記憶装置など、様々な用途の機器を繋げることができるようになっております。
詳細は以下の記事も参考にしてください!
SATA(Serial ATA:シリアルエーティーエー)
SATA(サタ)はハードディスクやCD,DVDドライブなどを接続する規格のインタフェースで、パラレル方式にあるATA規格(AT Attachment interface)をシリアル方式にしたものです。
現在のパソコンのハードディスク接続方式の主流となり、バージョンが上がる度に転送速度も上がり、最新の規格「SATA3.0」は「6Gbit/s」の速度で転送できます。
パラレル(並列)バスとは?
パラレルバスは並列という意味があり、同時に複数の信号を送ることができるため、転送するための時間を短くする(高速化)ことがメリットです。
パラレル方式の外部インタフェースとして有名なものは以下の二つがあります。
IDE(Integrated Drive Electronics)
IDE(アイディーイー)はパソコンとハードディスク (HDD) 間の規格として使われているインタフェースです。
後述しますが、使われているというより、使われていた、と言った方が良い表現かもしれません。昔はパソコン自作する時に必ず出てきた言葉ですね。
当初はハードディスクだけの接続でしたが、後にATAPI(アタピー)という規格が出て、CD-ROMのようなHDD以外のデバイスの接続を可能としてます。
SCSI(Small Computer System Interface)
SCSI(スカジー)はハードディスクやCD-ROMなど様々な周辺機器をパラレルで接続するために使われていたインターフェスです。
SCSIの特徴として「デイジーチェーン」と呼ばれる、各機器を数珠つなぎで接続する方式(最大8台まで)となってます。そして、数珠繋ぎの終端には「ターミネータ」と呼ばれる終端抵抗が必要となります。
この規格も昔は幅広く普及されていて、 RAIDなどサーバストレージ系にまで広く利用されていました。
どちらの方式が良いの?
実際どちらの方式が良いのかという比較になります。ここまでの流れで結論はお分かりになるかと思いますが、念のため解説します。
昔は複数の信号を1回で送ることのでできるパラレルバスの方が高速とされていたようですが、並列している伝送路1本あたりが高速になればなるほど、信号間のタイミングを取って制御することが難しくなってきました。
現在は、シリアルバスで高速化を目指していく方が主流となっておりますので、前述したIDEやSCSIを使ったパラレル接続は少なくなっていますね。反対にUSBの規格はどんどん速くなっていますね。
拡張バス用に使われているインタフェース規格である「PCI(パラレル方式の拡張インタフェース)」や「AGP(パラレル方式のグラフィックカード用インタフェース)」、「PCIe(シリアル方式の汎用的な拡張インタフェース)」も最近はシリアル方式のPCIeに置き換わっているみたいですね。
そして、USBの進化により、今までの色々な規格が使われなくなっているのですね。(参考:USBの進化で駆逐され忘れられて行く古い規格の端子類:BTOパソコン.jp)
まとめ
今回はコンピュータのデータ伝送路であるバスのパターンであるパラレルバスとシリアルバスに関して調べてみました。
並列のパラレルバスの方が速そうですけど、確実性を担保するとシリアルバスの方が簡単で高速化し易いのですね。
仕事でもパラレルでやっていると、ある仕事だけ忘れてしまって、全体が滞ってしまう、なんてこともありますもんね。
とは言え、一つの(シリアル)仕事だけ集中してやれるなんて素敵な環境もなかなかないもんですよね(汗)