プロジェクトにおいて要員(メンバ)に起因する問題が起こるケースがありますが、問題を早期に発見したり、プロジェクトの体制を見直したり、再度問題が起こらないよう教育したりする必要があります。
今回は要員管理における問題発見方法や対策に関して解説します!
要員に関する問題を早期に発見しよう!
要員に関する問題は進捗の遅延や費用超過、品質不良などのプロジェクトの管理目標となるQCD(納期・品質・コスト)に問題が発生して判明することが多いです。
そのため、この問題を早期に発見できることでプロジェクトへの影響を防止できることになります。その方法として次のように各管理方法から問題を発見することが大事です。
要員別の進捗管理表での問題を発見する
全体では進捗の遅延になっていなくても、特定の要員が進捗遅延になっている場合があります。一人だけだから大丈夫でしょ?と、そのような状態を放置しておきますと、全体への影響が必ず出てきてしまいますので、要員別の進捗管理表を使った、要員ごとに日々進捗をチェックしていきます。
要員別の工数管理での問題を発見する
作業遅延にはなっていなくても、実は作業をしている要員が残業時間でカバーしているようなケースがあります。このようなケースは要員の生産性が悪い(ダラダラやってしまう)ことになり、いずれは残業や休日出勤では遅れを取り戻せなくなってしまいます。
更には無理な残業が続くことで健康面や精神面に影響が出て、最悪の場合はプロジェクト自体を離脱しなければならなくなってしまう事態が発生することもあります。これはかなり悲惨です...
このようなことになる前に、各要員の残業時間や生産性を管理することで問題を早期に検知しましょう。
勤怠管理での問題を発見する
先ほどの生産性の問題発見と近いことですが、要員の勤怠状況から、問題を発見できる場合もあります。
各メンバの遅刻や早退、欠勤、残業時間が多くなっているよう場合は健康面や精神面、事件や事故、親近者の病気や不幸など人に気楽に言えないような悩みを抱えている可能性もあります。
プロジェクトメンバがこのような状況のままだとプロジェクトの遅延や品質の低下を引き起こしてしまいますので、プロジェクトメンバの勤怠情報を管理し、通常と異なる異常値を検出した場合には、個別に会話や面談などをして、根本原因を確認することが大事になりますね。
現場を見ることで問題を発見する
プロジェクトチームにおいて、和を乱すメンバがいることによって、他のメンバのモチベーションが下がることがあります。これも和が乱れるまえに避ける必要があります。
現場を見ることで、チームの雰囲気が分かりますので、メールや会議だけでのコミュニケーションでは無く、現場に寄り添った管理をし、危ない雰囲気だったら、和を乱しそうなメンバから不満を聞いたりすることが大事ですね。
要員問題の原因と予防的対策とは?
これまでの話にも出てきましたが、要員に関する問題が発生して、プロジェクトの体制変更をする必要が出る原因には具体的に次のようなものがあります。
【要員問題のリスク】
- 別の重要プロジェクトに引き抜かれる
- 要員の病気や退職など
- 派遣会社の引き上げ(撤退)
- 人事異動
- 要員の能力不足
- 工数不足、工数余剰
- その他不測の事態
これらのリスクに対しては余裕を持った人員(補欠要員)を確保しておけば良いですが、その分費用も掛かってしまいます...
その他に「プロジェクトを兼務しているメンバ」、「新人などの能力が未知数のメンバ」などの場合は、確実に工数を消化できる可能性も低いので、リスク管理をしっかりと行っておく必要があります。
要員問題の事後対策とは?
プロジェクト体制や要員に問題があると分かったら、早期に要員の配置換えや役割変更、要員の交代、要員の追加など、可能な選択肢を駆使して、プロジェクトの体制を見直していく必要があります。
新たに要員を追加する場合は、必要なスキルや経験を明確にし、該当する要員を決定します。そして、作業の引継ぎやプロジェクトルール、標準化の方針などの習得時間などの新たに必要なタスクとその時間を見積もります。
その結果、既存の体制で進めるよりも適切と判断した場合に、要員の追加や変更を実施します。
勿論、新たな要員の能力や勤怠状況もしっかり管理し、想定通りの生産性が出ているかのチェックを定期的に実施することも重要となります。
まとめ
今回はプロジェクトにおける要員管理に関して解説しました。
プロジェクトの体制変更によって、今までのノウハウやコミュニケーションなどを再構築する必要など、大きなリスクを伴うことになりますので、できるならばメンバ変更はしない方が良いですね。
そのためにも、常にメンバの状況を管理して、問題の早期発見・対策を行う必要があるのですね!
そして、残念ながらメンバ変更を余偽なくされた場合は、全力で新メンバへの教育や指示を行い、早期にプロジェクトの要員として組み込んでいきましょう。
以上です!