IT用語 プロジェクトマネージャ

工数と人日(にんにち)、人月(にんげつ)の意味と使い方を学ぼう!

2021年8月26日

システム開発をするには人手が掛かります!

そして、この人手がどのくらい掛かるかを数字で表すために「工数」という概念があります。

この工数を管理することは、システム開発におけるプロジェクトマネジメントで重要な要素となり、理解することでプロジェクトを円滑に進めることができます。

今回はこの「工数管理」とそれに関係する「人日(にんにち)、人月(にんげつ)」の意味と使い方を解説します!

工数、人日、人月とは?

あるプロジェクトを達成するために必要とされる人間の作業量のことを「工数(こうすう)」と呼びます。

工数は作業期間の合計値で表し、単位には「人日(にんにち)」と「人月(にんげつ)」の二つがあります。

工数の単位

  • 1人日:1人で行うと1日かかる作業量
  • 1人月:1人で行うと1か月かかる作業量

以下に人日と人月のイメージを描いてみました。

簡単に言えば、人が何日、または何か月働くか、という事ですね。

因みに1人日の場合、1日24時間働くわけでは無く、一般的には8時間くらいになるかと思います。

同じく、1人月の場合、1ヶ月働くから31日間働くわけでは無く、1週間を5営業日とすれば、4週間で20日働くイメージですかね。

つまり、「1人月=20人日」になるので、0.5人月と言ったら、10人日になりますね。

3人が同じプロジェクトで1ヵ月働いたら「1人月×3人=3人月」となります。

このように「プロジェクトの期間と作業する人数」によって、プロジェクト全体の工数を算出することができます。

式で表すと「期間×要員=工数」となりますので、プロジェクトの工数と期間が決まっていた場合に必要な要員は「工数÷期間」で算出することができますね。

工数の人日と人月のイメージ

 

人日、人月の単価とは?

ここまでで、工数と人日、人月の使い方は分かったと思いますが、工数の単価、つまり1人月の作業をしてもらうにはどの程度のお金がかかるのでしょうか?

工数の単価は会社によってバラバラです。

また、作業をお願いする役割(立場)によっても金額は変わってくるはずです。

工数単価の例は下図のようになりますが、会社によって特徴があります。

役割による単価の差があまり無い会社や、役割が上であれば、単価がグッと上がる会社もあります。単価が高ければ品質は高いのですが、依頼した作業がその役割にマッチしない(能力を使いきれない)と、単価分の働きをしてもらえない、なんてこともありますね...

逆に単価が安い場合、品質面で心配はありますが、思ったよりもパフォーマンスが出て、単価以上の働きをしてもらえる時もあります(これはラッキーな例ですが)。

なので、開発プロジェクトにおける作業をお願いする際は、見積の時点でキチンと工数単価と作業内容、担当者のスキルなどを確認しておく必要がありますね。

役割、会社毎での単価の例

 

工数管理とは?

プロジェクトにおいて工数管理は非常に重要です。なぜなら、工数管理を正しく行わないと、プロジェクトのスケジュールが延びてしまったり、必要なコストが予算を越えてしまう、品質が低下してしまうなど、色々な問題が発生してしまいます。

そのため、プロジェクトの計画段階で、各工程の期間と必要な工数を検討し、適切な要員の配置を行う必要があります。前述した「期間×要員=工数」ですね。

プロジェクト実行中も常に要員が足りているか、要員のパフォーマンスが出ているかなどを常にチェックして工数の管理をしていく必要があります。

メンバーによって、パフォーマンスの違いがあるので、同じ1人月でも、作業の進捗具合は変わってくるので、その辺も考慮してプロジェクトの各工程、各作業に人を割り当てていく必要がありますね。

以下にプロジェクトの各工程における、要員の配置と全体工数の例を載せておきます。

前半工程の要件定義、設計は人数を少なくし、コアメンバーだけを割り当て、製造・単体テストなどはプログラマーを投入して、工数が大きくなることが多いですね。

各工程における要員の配置例

 

まとめ

今回は工数と人日、人月の解説とプロジェクトの工数管理に関して解説しました。

工数と人日、人月のまとめ

  • 工数とはプロジェクトを達成するために必要とされる人間の作業量のこと
  • 1人日:1人で行うと1日かかる作業量
  • 1人月:1人で行うと1か月かかる作業量
  • 単価は役割や会社によって変わってくる
  • 工数管理がプロジェクトの成功につながる

私の経験上、各社さんが提示してくる工数の単価や作業者のスキルの正当性を完全にチェックすることはかなり難しいので、その辺は会社間の信頼関係も必要になってくると思います。

プロジェクトが完遂した後に実施する「プロジェクト振返り」において、プロジェクトに掛かった工数に関しても分析しておくと、次のプロジェクトの時に最適な工数割当てができるようになりますね。

また、工数管理はプロジェクトマネジメントにおいて大事ですが、個々の作業者の毎日の作業内容や達成率を細かくチェックし過ぎるのはあまりおススメしません。

人はロボットと違って作業には波があるので、ピンポイントで見るよりは、ある程度の期間でパフォーマンスをチェックした方が良いですね。

疲弊したプロジェクトは想定した工数を消化できず悪循環に陥るので、やはりプロジェクトメンバーのモチベーションを常に上げて、想定した工数以上のパフォーマンスを引き出せると最高ですね。

そのためのコミュニケーションも大事です。

以上です!

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