「システム監査技術者試験」はシステムの監査人や情報システム責任者のための試験です。
日々、情報システムにまつわるリスクを分析し、コントロールを点検・評価・検証を行っているような人向けではありますが、経験が無い人でも学習することで勿論合格はできます。
そして、より効率的に学習することで「初チャレンジ、短期間」で合格することも可能です。
今回は私がシステム監査技術者試験に合格した経験をもとに、合格するための学習のための3つのステップを解説します!
私の試験結果
先ず、私は令和3年度秋期のシステム監査技術者試験(AU試験)に初チャレンジで無事合格することができました。
結果は次の通りです。
システム監査技術者試験結果
午前Ⅰ:免除、午前Ⅱ:76点、午後Ⅰ:80点、午後Ⅱ:A
午後Ⅰが思ったより取れてました(嬉)
初チャレンジでしたが、何とか一発合格できたので、自分が実践した学習方法を改めて振り返ってみました。その上でポイントとなる点を解説してみます!
これから受験をされる方は参考にしてみて頂ければと思います。
因みに、システム監査技術者試験を受けた直後の感想に関しては、以下の記事に掲載してます。
トータルの学習時間
システム監査技術者試験の学習に関して、実はそれほど多く時間を掛けていません。
厳密に覚えてないですが、恐らくトータルでも45時間くらいだと思います。1日1時間で1ヶ月半ってところですかね。
他の高度情報処理試験に比べて、システム監査技術者試験の出題範囲は「マネジメント系とストラテジ系」が多く、覚えるべき用語も少なかったと思います。
午後Ⅰは導出型ばかりですが、ここもしっかり問題文を読めば、答えが導かれるので、それほどの対策は不要かと思います。
そうなると、午後Ⅱ対策がキーになってくると思いますが、実はこれも経験をベースに論文を構成すれば良いので、短期集中で対応できると思います。
と、このように記載してみると、「じゃあ、試験勉強しなくて良いじゃないか!」と突っ込みたくなりますが、やはり学習は必要なので、「量より質」ということを意識して、次から対策方法を記載していきます!
今回は「学習時間に〇〇時間必要」とか「何か月前から対策をする」といった数字は使いません。あくまで、学習の流れを解説しますので、皆さまの持っている経験に合わせて学習期間や時間を設定すると良いですね。
システム監査の感覚がマッチすれば極端な話、過去問を何回か解いてポイントを抑えれば、合格する可能性は高いと思います。
ということで、前半、中盤、後半の3ステップに分けてポイントを解説します!
前半(まず最初に)
最初はやはり「システム監査技術者とは何か?」をざっくり理解すると良いと思います。
システム監査技術者は「情報システムにまつわるリスクを分析し、コントロールを点検・評価・検証する」という役割があります。
つまり「システムの開発段階や運用段階で問題が無いのか正しく監査する」この辺を業務としてやっている感じですね。
システム開発や運用業務に携わっている方は、担当業務がプロジェクトマネージャやシステムエンジニアの人でも、システムにおいて何がリスクか?どんなコントールが必要か?その辺のポイントは業務において重要になってくるはずですので、システム監査技術者に必要な要素が自然に身に付いていると思われます。
一方、システム開発経験が無い方はシステム監査技術者の参考書にある午後Ⅱの論文例を沢山読んで、先ずは業務の流れを理解していくのが良いかと思います。
用語や仕組みの知識を覚えるというよりは、「システム監査技術者になりきる」ことが重要と思います。
先ずは、なりきるために午後Ⅱ論文例を何回も読んでみましょう。
前半の学習ポイント
午後Ⅱ論文例を何回も読んで、システム監査技術者になりきろう!
キーワードは「リスク」と「コントロール」なので、常にここを意識しましょう!
中盤(苦しい時期)
前半で「システム監査技術者とは?」ということを理解した上で、中盤戦に進みますが、この辺から参考書を読みつつ、午後Ⅰ対策として、過去問を解いていきましょう!
おすすめの参考書はのちほど紹介します。
過去問は7年分くらいを解いてみたいところですが、ポイントは「時間を意識せず、しっかりと問題文を読んで解く、そして解答案をしっかり理解する」ということです。
システム監査技術者の午後Ⅰは導出型と呼んで、問題文を引用して解答をすることが多いので、問題をしっかりと読むことで、スムーズな解答ができるようになります。
ただ、システム監査技術者試験の導出は問題文そのままの引用だけだとダメで、そこにシステム監査技術者としての考え(リスクとそれに対するコントール)を追加していく必要があります。
なので、なかなか解答例とドンピシャ一致しないので、もどかしい思いをするかもしれません。。。
ということで、中盤はしっかりした自信がつきにくいので、学習に行き詰まらないよう注意しましょう。
中盤の学習ポイント
参考書を読んで、午後Ⅰ問題を沢山解いて、問題の傾向や解答に加えるシステム監査技術者の考え方(リスクとそれに対するコントール)を掴んでみよう!
後半(仕上げ)
さて、最後の仕上げです。
ここで、午前の過去問を直近5年間分くらい解いて、正解の解答も全て覚えてみましょう。過去問からの出題もありますので、その対策となります。
そして、いよいよ午後Ⅱの論文を自分で書いてみましょう。
テーマは過去問を使って良いのですが、基本的には二つくらいのシステム開発や運用をイメージして、論文の練習をしましょう。
先ずはパソコンのテキストエディタ―(Wordなど)を使って論文を作成してみることで、自分の論文の形を作っていくことから始めると修正もし易いので良いかと思いますが、実際の試験は手書きなので、3本の論文くらいは紙と鉛筆を使って、2時間以内で書き上げる練習をしましょう!これはかなりハードですね...
この練習を実施することで、大分頭の中がシステム監査技術者になるので、午後Ⅱだけでなく、午後Ⅰも解き易くなっているはずです。
後半の学習ポイント
- 午前の過去問を直近5年間分くらい解いて、正解の解答も全て覚えてみよう(過去問対策)
- 午後Ⅱの解答3本分を作成して、システム監査技術者脳にしよう
おススメ参考書
システム監査技術者試験は前述の通り覚えることが多くないので、参考書を何冊も用意する必要は無いかと思います。
私が学習する中で使った参考書は以下の二つです。
実は他の高度情報処理試験も殆どこの2シリーズの組み合わせで対策できます!
こちらは定番中の定番「うかる!シリーズ」ですね。序章に学習方法や午後問題の解答テクニックがあり、これを読むとシステム監査技術者試験で抑えるべきポイントがかなり分かってきます。
テクニックや論文も例も沢山あり、解答例としては非常に参考になります。
ただ、過去問をベースに用語の解説があるので、システム監査技術者用の知識を全般的に覚えるにはちょっと物足りないかもしれません。
もう一つはこれまた定番ですが「ALL IN ONE パーフェクトマスター システム監査技術者」です。
こちらは「①知識編」と「②演習編」に大枠が分かれているので①の知識編を読むことで、システム監査技術者の全般的な知識を得やすくなっています。
また、②の演習編の午後Ⅱの論述のバリエーションが多いので、自分の業態や立場にあった解答案を見付け易くなっているかと思います。
個人的にはこの本は読み易く、システム監査技術者全般を把握するにはコチラから読んでみるのがおススメです!
その他に午後Ⅱの論述対策をより確実に実施したい方は次の参考書も役に立つかと思います。
それぞれの参考書の良いところを使って、力を付けていくことが大事だと思います!
おススメの道具
個人差はあると思いますが、午後Ⅱの論述は2時間で2000文字~4000文字を手書きで書きます。その中でメモ用紙に構成等も書きますので、論述終盤になると手が痛くなる人は多いと思います。
また、つい力が入って、シャーペンの芯が折れるという問題も発生します。
そららの問題を解消するために、ちょっと高性能なシャーペンにしました。
それが、「クルトガ アドバンス アップグレードモデル」です!
芯が折れないのと、常に先端が尖るような構造なので、持ち替えたりする必要が無くて良かったです。
おかげで、いつもより手の疲れは無かったです(喜)
シャーペン結構大事ですね!下にリンク貼っておきます。
まとめ
今回はシステム監査技術者試験に合格するためのポイントに関してまとめてみました。
私は独学で学習して何とか合格できましたが、ひたすら参考書を読み込むのでは無く、ポイントを絞って効率よく学習していくことが大事だと思います。
そして、学習時間を設定するのではなく、自分のスキルに合わせて「時間より質」を大事にして学習していくと良いと思います。
また、自分が「システム監査技術者」になりきって、自信を持って試験に臨むと良いのかなと思いました。
本記事の内容が皆さまの学習に少しでもお役に立てれば幸いです。
以上です!