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スマホのタッチパネルの仕組みを学ぼう!

スマホやタブレットは画面をタッチして操作をします!

当たり前ですが、十数年前は全然当たり前じゃなかったです。

ということで、今回はこの素晴らしい仕組みを簡潔に解説します!

簡単に言うと電気の流れを使います

結論から言います!

スマホやタブレットを人間を紐づけているのはズバリ「電気」です!

画面に指を近づけた時に非常に微弱な電気が人間に流れるのを検知して、押した場所を特定しているのです。

「電気人間に流れて大丈夫なの?」

と思うかもしれないですが、非常に微弱で人体には全く影響が無いレベルですのでご安心ください。生体電流なんて言ったりしますね。

この、指で画面に触れたときに起こる「静電容量(電気の量)の変化」によって位置を検出する方法のことを「静電容量方式」と呼びます。

投影型静電容量方式

静電容量方式には二つありますが、スマホやタブレットで使われている方式が「投影型静電容量方式」です。

画面のタッチパネルには電気を通す金属の膜(電極パターン層)が貼られていて、ダイヤモンド型の電極が重ならないように縦横に配置されています。

この電極パターン層には微弱の電流が流れています。

人間の体は水分を含んでいるため、この電極パターン層と同じように導電性(電気を通す性質)を持ちます。

そのためパネルに指を近づけると、それまで隣同士で結合していた電極が指とも結合するようになり、パネルに蓄えられていた電気が指に移動することになります。

この電気の流れの動きをスマホ側が検知して、タッチした場所を検知できます。

投影型静電容量方式の仕組み

メリット、デメリット

  • メリット:同時に複数個所をタッチしてもそれぞれ検知できるので、フリックやスワイプができる
  • デメリット:手袋を付けながらだと導電性が無くなるので、タッチに反応しない

タッチペンも導電性のある専用のものでなければ操作できません。

投影型静電容量方式は、非常に繊細な設計が必要で大型化が難しいため、スマホやタブレットなどの小型端末に広く用いられてる点も特徴ですね。

表面型静電容量方式

もう一つ、電気の流れを使った方式が、大きなモニタなどのタッチパネルで使われる「表面型静電容量方式」です。

表面型静電容量方式はガラス基板の四隅に電極を設けた構造をしています。これは投影型と同じです。

ポイントはこの4つの電極でタッチした場所を捉えていることです。

大画面のタッチパネルに適していて、水滴による誤作動が少ないことが特長ですね。

表面型静電容量方式の仕組み

投影型よりも以前から使われてきた方式で、大型のディスプレーに採用されることが多いのが特徴です。

メリット、デメリット

  • メリット:投影型よりも構造がシンプルであり、耐久性が高い
  • デメリット:表面型では2点以上の接触を同時に感知することができない。ペンによる入力も難しい

長期間の使用に耐えることができるので、レジとかATM、自動販売機、工業用端末とかで広く使われてますね。

手袋でも使えるのはなぜ?

静電容量方式は導電性が無いとタッチを検知できない、つまり導電性が無い手袋では使えないはずですが、手袋をしながらでも使えます。

冬の寒い時に外で手袋しながらでもスマホを使えるようにするためには二つあります。

ポイント

  • スマホ対応手袋を使う。これは、電気を通す糸を指先に編み込んで作られており、指の電気が手袋を通してスマホのパネルに伝わるので操作できる。
  • スマホの「手袋モード」を使う。これは、タッチパネルの感度を上げることで、スマホアプリを手袋ありで使えるモード。ただし、全体的な感度が上がるので、誤操作の可能性も高くなる。

他のタッチパネルの方式は?

ここまで「電気電気」と説明してきましたが静電気を使わないでもタッチパネルで検知する方法は古くからかあります。

代表的なものとして、「抵抗膜方式」があります。

抵抗膜方式(感圧式)

これは、ガラス基板の上に2枚の透明電極膜を向かい合うように置き、ドットスペーサーと呼ばれる隙間を作って、上にフィルムを重ねた構造になります。

画面をタッチすると、上下の電極膜が重なるので、電気が流れます。その電気が流れた(電圧が変化した)場所を検知しています。

つまり、物理的に画面を押すことで、その場所を検知する感じですね。

なので、「感圧式」なんて呼ばれ方もしますね。

抵抗膜方式の仕組み

メリット、デメリット

  • メリット:手袋を着けていてもペンを使っても操作できる。ほこりや水滴の影響を受けにくい医療や工場などの現場で使われている。
  • デメリット:マルチタッチには非対応で、透過率が低いので、ちょっと画面が見にくい(暗い)。

他にも、光の遮断地点を検知する「赤外線方式」や超音波の減衰を検知する「超音波表面弾性波方式」などあり、それぞれ用途がありますので、ご興味があったら調べてみてください。

まとめ

今回はスマホやタブレットで使われているタッチパネルの方式に関して解説してきました。

スマホのタッチパネルのまとめ

  • スマホやタブレットなどの小型機器では電気の流れを利用した「投影型静電容量方式」が使われている
  • 大型ディスプレイには「表面型静電容量方式」が使われている
  • 手袋を使う医療やホコリが多い工事現場などでは「抵抗膜方式」が使われている
  • それぞれの方式にはメリット・デメリットがあるので、用途に応じて使い分けがされている

現在は色んな場面でタッチパネルを使う機会が多くなりましたが、昔はタッチパネルがある場面に出くわすと「おぉー、すげー」ってなってましたね。(笑)

以上です!

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