今や当たり前に日常で使っているスマホですが、スマホって使いやすくて、カッコ良いですよね。
この「使いやすい」、「カッコ良い」には権利が付与されています。
つまり、スマホを発明した人や企業が色々な権利をもっていて、その権利が保護される仕組みになってます。
今回はそんなITにおける権利である知的財産権に関して解説します!
知的財産権
先ず知的財産権そのものの話ですが、財産権というくらいなので、財産の権利に関係しています。
財産といえば「土地や貯金」など、形が分かり易いものがすぐ頭の中に出てくると思いますが、ITの世界では「目に見えない財産」というものもあります。
例えばプログラムとかデザインとかがありますが、これらを「知的財産」と呼びます。
そして、知的財産権は大きく以下の3つに分類されます。
知的財産権の3つの分類
- 著作権 :プログラムや説明書など
- 産業財産権:発明やデザインなど
- その他の権利:営業秘密など
これから一つ一つを見ていきましょう。
著作権とは?
知的財産権の中で最も有名な権利が「著作権」ですが、著作権は「創作物」に対する権利です。
具体的には「本や絵画、写真、動画など」に対する権利となります。
ここでポイントになるのが、「著作権がいつ発生するのか?」ということです。
著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生する
つまり、役所などへの申請は不要となり、日常生活の中で、いつの間にか著作権は発生していることになります。
そのため、著作権は知らないうちに侵害していることが多いので、何が著作権で保護されているのか正しく理解しておく必要がありますね。
著作権法の保護範囲
では、著作権法で保護されているものとそうでないものの違いを見てみましょう。
著作権法で保護されているもの
- 本、説明書
- プログラム
- 音楽、写真、映像
- 絵画、彫刻などの美術作品
著作権法で保護されていないもの
- プログラム言語:コンピュータに命令を出すための言葉
- アルゴリズム:問題を解決するときの手順(解法)
- プロトコル:プログラム言語を使うときの特別な約束(規約)
上記の3つが保護されないのはなぜでしょうか?
それは、これらがプログラムを作る際に必要なものになるからで、これらの権利で保護してしまうと、誰もプログラムを作れなくなってしまうからです。
産業財産権とは?
次に産業財産権ですが、これは産業分野の財産に対する権利です。
個人ではなく、主に会社が開発した発明やブランドに対して発生する権利のことです。
産業財産権は下の図にあるように、4つの権利に分類されます。
スマホ一つの中にも、たくさんの権利が入っていることが分かりますね。
種類 | 特徴 |
---|---|
特許権 | 新しいことを発明した人や企業に与えられる独占的な権利。特許庁に出願し、審査を通過する必要がある |
実用新案権 | 物品の形状などの考案を保護する権利。物事をより便利にするアイデアがあれば認められる |
意匠権 | 物品のデザインを保護するための権利 |
商標権 | 商品を区別するためのトレードマークなどのマークを保護する権利 |
4つの権利の中で、特許権は自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものに与えられる権利なので、特許庁における審査はかなり厳しいもののようですね。
その他の権利とは?
知的財産権には、これまでの話の他に、「その他の権利」として「営業秘密」も含まれています。
営業秘密は次の3つの条件を満たす情報となります。
営業秘密に必要な3つの条件
- 秘密管理性:秘密として管理されている情報。秘密保持契約書で指定された情報や書類など
- 有用性:技術上、また営業上で役に立つ情報。顧客情報や実験データなど
- 非公知性:一般的に知られていない情報
特許や独自の営業ノウハウを持っているような企業では、その営業秘密が外部に漏れてしまうと重大な損害を被る可能性があります。したがって、各企業においては、営業秘密を守るためにさまざまな対策が取るのでずが、十分な対策をしていたと思っていても、競業他社に営業秘密が漏れてしまうことがあります。
そんな、重要な営業秘密を守るための法律があります。
それが「不正競争防止法」です。
この法律により、競合となる会社同士で不正な競争が行われないようにしています。
まとめ
今回はITと知的財産権の関係を解説してきました。
ITと知的財産権のまとめ
- 知的財産権とは「人の知恵から生み出された発明やデザイン」のような形の無い財産をを所有できる権利のこと
- 著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生する
- 産業財産権は、個人ではなく、主に会社が開発した発明やブランドに対して発生する権利のこと
- 営業秘密を守る法律として「不正競争防止法」がある
日々発明されたり、生み出されるIT技術があり、それらの技術を使って、私達の生活を便利にする製品が出てきますが、発明やデザインは知的財産権に守られています。
これが無いと、コピー品ばかりになってしまい、製品の品質がどんどん悪くなってしまいますね。
私たちも気付かず知的財産権を侵害してしまい、法律違反を起こしてしまうリスクもあります。
そんなわけで、知的財産権をしっかり理解することで、法律違反を犯すリスクを下げていきましょう。
以上です!