今回は基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の出題範囲である3本柱の「テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系」とは何か?を解説してみます!
実は高度情報処理技術者試験、情報処理安全確保支援士の試験範囲もこの3本柱の中に含まれていますので、この3本柱をベースに学習をするとどんな分野にも応用できる、ということなんですね。
先ずは、「〇〇系」とは何か?を知るために一番広い範囲・深さを持っているテクノロジ系を調べてみましょう!
テクノロジ系とは?
英語で書くと「technology」ですが、大辞林では「科学技術。また、科学技術を利用する方法論の体系をいう。」となっているようですね。
意味としては非常に広く、深く、イメージは分かると思いますが、やはり「どこまでが基本情報処理技術者試験で出るテクノロジ系なんだろう?」ってことで調べてみました!
IPAのシラバスや試験制度の手引きを見たのですが、実は明確な言葉での定義は見つかりませんでした(涙)
但し、範囲は明確になっておりますので、次に範囲を調べてみました。
テクノロジ系の範囲
大きく以下4つに分けられております。
基礎理論
コンピュータシステム
技術要素
開発技術
「うーん、これでも未だ広い範囲ですね...」
ここはもう一段階、掘り下げてみましょう!
基礎理論の中身
中分類 | 小分類 | 内容(知識項目例) |
---|---|---|
基礎理論 |
離散数学 | 2 進数,基数,数値表現,演算精度,集合,ベン図,論理演算,命題 など |
応用数学 | 確率・統計,数値解析,数式処理,グラフ理論,待ち行列理論 など | |
情報に関する理論 | 符号理論,述語論理,オートマトン,形式言語,計算量,人工知能(AI),知識工学,学習理論,コンパイラ理論,プログラミング言語論・意味論 など | |
通信に関する理論 | 伝送理論(伝送路,変復調方式,多重化方式,誤り検出・訂正,信号同期方式ほか) など | |
計測・制御に関する理論 | 信号処理,フィードバック制御,フィードフォワード制御,応答特性,制御安定性,各種制御,センサ・アクチュエータの種類と動作特性 など | |
アルゴリズムとプログラミング |
データ構造 | スタックとキュー,リスト,配列,木構造,2 分木など |
アルゴリズム | 整列,併合,探索,再帰,文字列処理,流れ図の理解,アルゴリズム設計 など | |
プログラミング | 既存言語を用いたプログラミング(プログラミング作法,プログラム構造,データ型,文法の表記法ほか)など | |
プログラミング言語 | プログラム言語(アセンブラ言 語,C,C++,COBOL,Java1),ECMAScript,Ruby,Perl,PHP,Pythonほか)の種類と特徴,共通言語基盤(CLI) など | |
その他の言語 | マークアップ言語(HTML,XML ほか)の種類と特徴,データ記述言語(DDL) など |
おぉー!大分内容が見えてきましねー。
基礎理論とは2進数や論理演算、データ構造やアルゴリズムなどITを学ぶ時に役に立つ分野のことなんでしょうね。数学的な要素や情報・通信の理論など学術に近い範囲ですね。この知識があると、他の分野の技術や仕組みを理解する際に役に立つと思いますが、数学が苦手な方などはちょっと大変かもしれないですね(汗)
その他のテクノロジ系の分野もざっくり以下のイメージです。
コンピュータシステム
ハードウェア、ソフトウェア、システム構成などイメージし易い分野
技術要素
データベース、ネットワーク、セキュリティなどシステムを繋ぎ合わせる上で必要な分野
開発技術
システム開発やソフトウェア開発管理などシステムを構築、導入するために必要な技術の分野
詳細はIPAのページ内の出題範囲(PDF)を見て頂くのが良いです。
結局テクノロジ系って?学習方法は?
情報処理技術者として、必要な技術的スキルの分野かと思います。テクノロジ系は各試験において、範囲や問題数もマネジメント系、ストラテジ系より多いので、テクノロジ系を学習に一番ウェイトが掛けることになりますね!
しかし、上記の基礎理論の内容をみるだけでも、学習することいっぱいに思えてきましたねー。しかも基礎理論だけで上記の範囲なので、コンピューターシステム、技術要素とか考えると果てしない道のりに思えますね...
でも心配要りません!
正しい順番で学習する!
最初から一つ一つ全てを覚えていくのではなく、目に見える・分かり易い分野を抑えてから詳細をを学習していけば大丈夫です。例えばPCのハードウェアやソフトウェアなど分かり易い概念から学習していき、そこで離散数学やデータ構造、アルゴリズムやプログラミングが使われているということを理解していけば良いと思います。
一つ一つの技術を順番に繋ぎ合わせていくことで、物語を読んでいくかのごとく楽しく学習をしていければ最高ですね(なかなか難しいですが...)。
どの順番で、何に重点を置いて学習していくのが効率的なのか?ここがポイントになってくるかと思います。
マネジメント系とは?
社会人の方でシステムに掛かる業務(特にシステム開発や運用保守)に就かれている方は馴染みがある分野かと思います。
マネジメント系の範囲
大きく以下2つに分けられております。
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
「マネジメント=管理」ですね。
マネジメント系は上記二つの範囲が時系列で繋がっております。
①プロジェクトマネジメント:システムを開発するまでの期間
②サービスマネジメント:システム稼働後の運用・保守の期間
システムを開発をするためにはプロジェクトを立ち上げて運営していきますが、スケジュール通りに高品質なシステムが出来上がるように課題や人間関係を管理していくためのスキルが必要です。
また、システム稼働後も安定した稼働を続け、トラブル時も迅速に対処できるような体制を準備しておき利用者に高品質なサービスを提供するための管理スキルが必要です。システム監査の知識も必要となってきます。
ストラテジ系とは?
テクノロジ系が理系だとするとストラテジ系は文系のイメージですね。
ストラテジ系の範囲
大きく以下3つに分けられております。
システム戦略
経営戦略
企業と法務
三つの範囲の内、二つに「戦略」の文字が付いてますね。テクノロジ系は企業として、どのようにシステムを導入していくか、そのために必要なプロセスは何か、そして競合他社と戦うためにどのような分析をしたり、戦略を立てていくかなど、経営やマーケティングの知識と法令観点の知識が必要となってきます。
ストラテジ系は通常自分が触れることが無い分野や言葉が多かったりするので、結構試験の時に忘れてしまってたりしますね(汗)
まとめ
今回は基本情報・応用情報・高度情報・支援士試験の出題範囲を系統別に紐解き、学習していくためのポイントを解説しました!
「テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系」それぞれ特徴のある分野となっておりますが、各試験において、共通で必要となるスキルとなります。情報技術者試験の各レベルにおいて、難易度が変わりますが、基本情報技術者試験の学習の中で一通りこの範囲を学習することで基礎力を固めることができます。
更に何回もこの範囲を学習することで、高度情報試験にも対応できる力が身についていくと思います。
どの順番で、何に重点を置いて学習していくのが効率的なのか?これは別の記事で今後記載していく予定です!
出題範囲を理解し、効率よく学習することで、情報処理技術者として成長していきましょう!