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VDI(仮想デスクトップ)の仕組みとメリットを調べよう!

2020年4月25日

最近テレワークを行うケースが増えてきておりますが、テレワークで会社の環境にアクセスするための有効な手段としてVDI(仮想デスクトップ)があります。

シンクライアントなんて言葉も関係してますね。

今回はこのVDIがどんな仕組みで、どのようなメリットがあるか?他の仕組みと比較しながら解説します!

 

VDIの仕組み

VDIとは「Virtual Desktop Infrastructure 」の略でして、日本語にすると「仮想デスクトップ」となります。

仮想デスクトップなので、何となくイメージが沸くと思いますが、自分の目の前にある端末(クライアント端末)の画面に映っている情報が仮想上、つまりサーバ側にあるという仕組みです。

サーバ側にOSやミドルウェア、アプリケーション、データが存在していて、クライアント側はその情報を画面としてもらって表示している、その画面に対して操作をしているだけとなります。

「コンピュータ上の殆どの作業やデータ管理をサーバにお任せしている!」
といった感じですね。

図でイメージを描いてみました。

VDIの仕組み

VDIのメリット

VDIを使うことで、以下のような様々なメリットが出てきます!

セキュリティリスクを低減!

クライアント端末にデータを残さないので、万が一端末を紛失したり、盗難されてしまっても情報漏洩のリスクを抑えることができますね。
また、画面の転送を行うだけなので、ネットワークに流れるデータを搾取されたとしても、そこから重要なデータを抜かれるようなこともありません。

 

テレワーク(在宅勤務)に活用!

社内だけではなく、自宅や社外などからもVDIを利用することができます。
最近ニーズが高まっているテレワークや在宅勤務などにも活用できます!

そして、自宅からのアクセスにおいても、特殊な環境ではなく、PCのブラウザ上でVDIを利用することができるので、非常に使いやすいです。

プロトコルもブラウザの場合「https」で実施しますので、セキュリティも保つことができますね。(※クライアントアプリの場合もあります)

 

最適な性能を実現!

VDIではクライアント端末ごとに、ユーザーが求める環境を簡単に作り上げることができます。目的に合わせて使いやすい、最適な仮想デスクトップをサーバーの性能で実現できるので、高いスペックのクライアントを用意する必要がありません。

 

ネットワーク上のデータ転送量を抑える!

VDIは画面を転送するだけなので、ネットワークの転送量を抑えることができます。

 

一元管理によるメンテナンスコストの抑制!

VDIは、クライアント端末を一元管理できます。
OSやアプリケーションのアップデートやセキュリティパッチの適用や不正アクセスの監視なども管理できるので、運用コストを下げることができます。

 

仮想デスクトップとシンクライアントの関係は?

仮想デスクトップを語る上で「シンクライアント」という言葉は重要です。

シンクライアント(thin client)とは、ユーザーが使うクライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させたシステムアーキテクチャ全般やその端末のことです。(参考:Wikipedia)
thinという言葉が「薄い、厚みの無い」という意味なので、クライアントとしての処理が少ないことになります。

まさにVDIのことじゃないか!と思いますが、実はVDI以外にもシンクライアントと呼べる仕組みがありま

下の図を見て頂ければと思いますが、4つの種類に分けることができます。

シンクライアントの種類

一つ一つ説明していきます!

①ネットワークブート型

サーバー上にあるイメージファイルを使ってネットワークを通じてOSやアプリケーションをクライアント端末でブート(起動)する方法です。

また、データもネットワーク上にあるストレージに保存する形になります。

ブートした後はクライアント端末側のメモリでアプリケーションを実行するため、通常のPC端末と同様の感覚でアプリケーションの利用を行うことができます。

ただ、ネットワーク上から必要なデータをもってくるので、ブートに時間が掛かるのが難点ですね。

 

②ブレードPC型

超小型のブレードPCと呼ばれるPC端末を、クライアントの台数分物理的に設置し、各ユーザーがクライアント端末から1対1で利用する方法です。構造的には、遠隔から自分専用のPCを操作している、いわゆるリモートデスクトップのイメージになります。

ユーザー数だけブレードPCを用意する必要がありますので、比較的コストが高く管理も大変ですが、ユーザーから見ると自分専用の環境が提供されるので利便性は高いですね。

 

③サーバベース型

アプリケーションをサーバーで実行して、そのアプリケーションをユーザー全員で同時に使用する方式となります。

単一のアプリケーションをユーザーで共有するためにサーバーが高性能でなくても対応することができ、コストパフォーマンスに優れた方法となりますが、高負荷に弱かったり、個別のユーザーの自由度が低いなどのデメリットもあります。

 

④仮想PC型(VDI)

今回、解説してきたVDIのことで、仮想化技術を用いて仮想マシンを用意するだけです。従ってコスト面や管理面ではブレードPC型に比べて有利になりますね。

 

まとめ

今回はVDIに関して仕組みやメリットを調べてみました。

VDIを使うことで、クライアントのセキュリティを保ったり、環境の管理を高めることができるのですね。

シンクライアントもちょっと前は動作が遅くて使い難かったイメージがありますが、最近はサーバの能力もあがったので、サクサク動くようですね。

私も会社の端末を週末に持ち帰っていることが多く、結構重くてストレスでしたが、VDIのお陰で家のPCから会社の環境にアクセスできるようになったので、とても助かってます!

しかし、便利になる一方、外からアクセスできてしますので、セキュリティ対策は万全に行う必要がありますね。

以上です!

参考URL)
シンクライアントとの違いで学ぶVDI(デスクトップ仮想化)の魅力とは(日商エレクトロニクス)

今さら聞けない!シンクライアントの種類とその特徴(sandi)

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