「ITサービスマネージャ試験」は安全性と信頼性の高いITサービスを提供するITサービスマネージャの力を試す試験です。
日々、ITシステムやITサービスの運用を行っている人向けではありますが、経験が無い人でも学習することで勿論合格はできます。
そして、より効率的に学習することで「初チャレンジ、短期間」で合格することも可能です。
今回は私がITサービスマネージャ試験に合格した経験をもとに、合格するための学習のための3つのポイントを解説します!
私の試験結果
まず、私は令和5年度春期のITサービスマネージャ試験(SM試験)に初チャレンジで無事合格することができました。
結果は次の通りです。
ITサービスマネージャ試験結果
午前Ⅰ:免除、午前Ⅱ:76点、午後Ⅰ:79点、午後Ⅱ:A判定
因みに令和5年からIPAのマイページで試験結果を見れるようになって、試験結果のテイストも変わっていますね。
結果としては、午後Ⅰがもうちょっと取りたかったですが、まずまずな結果かと思います。
今回も初チャレンジ且つ短期間の学習で合格できたので、良かったとは思います。
ITサービスマネージャ試験に向けて、どうやって自分が学習したかのポイントを「合格するための3つのポイント」として整理してみました。
短期間で試験合格を目指す方はご参考にして頂ければと思います。
トータルの学習時間ではなく学習期間が重要
3つのポイントの解説の前に、学習時間の設定ですが、どのくらい学習すれば合格に近づくのでしょうか?
有名な資格の学校のサイトを見ると「高度試験区分 100~200時間」とありますが、数字だけ見ると結構大変そうですね。
私の経験からすると、学習時間というより、「学習期間を3ヵ月」という設定でやるのが良いかと思います。
毎日でも無く、二日おきに30分でも1時間でも良いので、継続して学習していくことで脳がITサービスマネージャになっていきます。
「1週間一度も学習しなかったなー」、ダメですよ!
学習期間、時間のポイント
- 短時間でも良いので、継続して学習しましょう。
- 量より質を意識して学習しましょう。
ということで、ご自分のITサービスマネジメントの経験や知識を考慮して学習期間や時間を設定してみましょう。
極端な話、ITサービスマネージャの経験が身に付いていれば、過去問を何回か解いてポイントを抑えれば、合格も夢じゃないですね。
それでは、合格のための3つのポイントの解説に入っていきましょう!
ポイントその① ~試験の範囲と特徴を抑える
先ずは、「ITサービスマネージャとは何か?」をざっくり理解することから始めましょう。
ITサービスマネージャは「ITサービスの安定提供を約束する仕事人」という役割がIPAで定義されています。
つまり「ITシステムやITサービスの障害が発生しても直ぐに回復させる。障害がそもそも発生しないように改善する」など運用の管理業務を主としてやっている感じですね。
なので、ITサービスマネージャ試験の出題範囲は「マネジメント系」が殆どとなります。加えて「セキュリティ系」もありますが、全体的に覚えるべき用語は少ないと思います。
その中でキーワードとしては、以下の3つを上げておきます。
キーワード
- ITILL(アイティル) : システム運用管理やITサービス管理に関するベストプラクティス(最も効率的な方法)
- 資源管理 : CPUやディスクのリソースやネットワークの帯域などを適正に管理する
- インシデント管理 : 障害発生時の暫定対応、再発防止策の実施などを行う
システム運用を主な業務としてやられている方は勿論のこと、担当業務がプロジェクトマネージャやシステムエンジニアの方も運用保守は把握していることが多いので、ITサービスマネージャの内容をある程度は分かっていると思います。
一方、システム運用経験が無い方はITサービスマネージャの参考書にある午後Ⅱの論述例を沢山読んで、先ずは業務の流れを理解していくのがおススメです。
ポイントその①まとめ
- 試験の範囲は「マネジメント系」と「セキュリティ系」を抑えましょう。
- キーワードは「ITILL(アイティル)」、「資源管理」、「インシデント管理」。
- ITシステムやITサービスを安定して運用するための流れを論述例を読んで把握しましょう。
ポイントその② ~過去問を解いて、不安を払拭させる
ポイント①で出題範囲の傾向を掴んだ上でポイント②に進みます。
高度情報処理の試験勉強は不安との戦いです。
どこまで学習すれば良いのか、参考書だけで自分が理解できているのか、そんな不安を抱えながらの学習は大変です。
では、どうすれば不安を払拭できるのでしょうか?
それは、ズバリ!
午後Ⅰの過去問をひたすら解きましょう!
過去問は10年分くらいを解いてみたいところですが、ポイントは「時間を意識せず、しっかりと問題文を読んで解く、そして解答案をしっかり理解する」ということです。
ITサービスマネージャの午後Ⅰは導出型と呼んで、問題文を引用して解答をすることが多いので、問題をしっかりと読むことで、スムーズな解答ができるようになります。
しかも、ITサービスマネージャの導出は問題文の言葉をそのままの引用でOKなことが多いです。
解答に変な味付けをせず、シンプルに解答していくと良いでしょう。
過去問を解いて、解答を見て、直して、これを繰り返しているうちにITサービスマネージャとして、どんな判断や対応が必要なのかが分かってきますので、次第に不安も無くなっていきます。
ということで、とにかく午後Ⅰの過去問をやってみて、解答パターンを身に付けましょう。
ポイントその②まとめ
- 午後Ⅰの過去問をひたすら解いてみましょう。
- 過去問の解答をしっかり理解して、ITサービスマネージャのコツを掴んでいきましょう!
ポイントその③ ~ITサービスマネージャになりきって、論述練習をする
さて、最後のポイント③ですが、ここは仕上げです。
そして、いよいよITサービスマネージャになりきって午後Ⅱの論述を記載してみることになります。
テーマは過去問を使って良いのですが、基本的には二つくらいのシステムやサービスの運用をイメージして、論文の練習をしましょう。
先ずはパソコンのテキストエディタ―(Wordなど)を使って論文を作成してみることで、自分の論文の形を作っていくことから始めるのが良いですね。
ただ、実際の試験は手書きなので、最終的には3本の論文くらいは紙と鉛筆を使って、2時間以内で書き上げる練習をしましょう!これはかなりハードですね…
この練習を実施することで、ITサービスマネージャになりきれますので、午後Ⅰも解き易くなっているはずです。
また、忘れてはならないことですが、午前の過去問を直近10年間分くらい解いて、正解の解答も全て覚えてみましょう。過去問からの出題は結構ありますので、その対策となります。
午前問題を甘くみて、もしも60点取れないとなると、せっかく努力が無駄になりますので、過去問をいっぱい解いて、確実に得点できるようにしておきましょう。
ポイントその③まとめ
- ITサービスマネージャになりきって、午後Ⅱの論述を自分で書いてみましょう。
- 2時間で論述を書き終える経験を何回かしておきましょう。
- 仕上げとして午前Ⅱの過去問の解答を全部覚える気持ちで解きましょう。
おススメ参考書とツール
効率的に学習するためには、参考書やツール選びも重要ですので、おススメを紹介します。
おススメ参考書
ITサービスマネージャ試験は前述の通り覚えることが多くないので、参考書を何冊も用意する必要は無いです。
私が学習する中で使った参考書は以下の二つです。
実は他の高度情報処理試験も殆どこの2シリーズの組み合わせで対策できます!
こちらは定番中の定番「うかる!シリーズ」ですね。序章に学習方法や午後問題の解答テクニックがあり、これを読むとITサービスマネージャ試験で抑えるべきポイントがかなり分かってきます。
テクニックや論文も例も沢山あり、解答例としては非常に参考になります。
ただ、過去問をベースに用語の解説があるので、ITサービスマネージャ用の知識を全般的に覚えるにはちょっと物足りないかもしれません。
もう一つはこれまた定番ですが「ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト」です。
こちらは「①知識編」と「②演習編」に大枠が分かれているので①の知識編を読むことで、ITサービスマネージャの全般的な知識を得やすくなっています。
また、②の演習編の午後Ⅱの論述のバリエーションが多いので、自分の業態や立場にあった論述案が見つけ易いのは良いですね。
個人的にはこの本は読み易く、ITサービスマネージャ全般を把握するにはコチラから読んでみるのがおススメです!
その他に午後Ⅱの論述対策をより確実に実施したい方は次の参考書も役に立つと思います。
それぞれの参考書の良いところを使って、力を付けていくことが大事ですね!
おススメツール
個人差はあると思いますが、午後Ⅱの論述は2時間で2000文字~4000文字を手書きで書きます。その中でメモ用紙に構成等も書きますので、論述終盤になると手が痛くなる人は多いと思います。
また、つい力が入って、シャープペンの芯が折れるという問題も発生します。
そららの問題を解消するために、ちょっと高性能なシャープペンを使ってます。
それが、「クルトガ アドバンス アップグレードモデル」です!
芯が折れないのと、常に先端が尖るような構造なので、持ち替えたりする必要が無くてGoodです。
午後Ⅱの論述の練習の際にも効果を発揮しますね!
その他にも「iPad Mini」や「GoodNotes」を使って、どこでも学習を効率的に進めることができる方法を以下記事で紹介してますので、併せて読んでみてください。
まとめ
今回はITサービスマネージャ試験の学習の3つポイントに関して解説してみました。
3つのポイントのまとめ
- 先ずは試験の範囲と特徴を抑える。論述例も色々読んでITサービスマネージャの業務に慣れてみる
- 午後Ⅰの過去問を解いて、不安を払拭させる
- ITサービスマネージャになりきって、午後Ⅱの論述練習をする
ひたすら参考書を読み込むだけでは頭に定着しないので、過去問を上手に使って、ポイントを絞って効率よく学習していくことが大事ですね。
そして、自分のスキルに合わせて「時間より質」を大事にして、定期的に学習してくのが合格への近道ですね。
試験までに自分がITサービスマネージャになりきれるよう準備し、当日は自信を持って試験に臨めると良いですね。
本記事の内容が皆さまの学習に少しでもお役に立てれば幸いです。
以上です!